市民の意見30の会・東京

これまでの意見広告

2024年期(第26回)市民意見広告運動

2024. 05. 03

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 日本国憲法施行から77年目の今日、憲法9条をここに掲げます。今ほど、憲法9条の実現(それに基づいた政治が行われ、世界中の人びとのいのちや暮らしが安寧に守られること)が必要なときはありません。

◎再び戦争できる国にさせない

 アジア・太平洋戦争では日本の侵略行為によって、中国をはじめ多くの国や地域で2000万人以上の生命を奪い、日本も310万人もの生命を失いました。「国民主権」「基本的人権の尊重」「戦争放棄」を定めた日本国憲法は、「二度と戦争を起こしてはならない」という強い反省から生まれたものです。
 しかし、岸田文雄首相率いる自民党と公明党からなる与党は、再び戦争する国づくりにひた走っています。憲法違反の安保法制を基にした「敵基地攻撃能力」保有決定、世界3位の軍事大国となるGDP比2%✕5年間で43兆円まで膨張する防衛費、国会を無視した「殺傷能力のある武器」輸出容認。それらはみな、永久に放棄したはずの戦争の準備です。
 軍事力の保持が「戦争抑止力」になるという考えは、緊張と限りない軍拡競争を招きます。岸田政権の大軍拡政策により2024年度防衛予算が前年度から1兆1,277億円増と16.5%も突出して増えたのに対し、人びとの健康や生活を守るための社会保障費は前年度から8,506億円増とわずか2.3%しか増えていません。子どもを生み育てたいときに支援があり、老いたときに安心できる助力がある。そんな未来を考えた予算作りに政府が真摯に向き合っているとは到底思えない数字です。
 能登半島地震の例をあげるまでもなく、私たちは自然・気候・食料など多くの危機に直面しています。大軍拡などしている場合ではありません。非戦の憲法9条を実現し、再び戦争できる国にさせないこと。それを世界にも伝えていくことが今とても大切です。

◎武力で平和はつくれない

 ロシアによるウクライナ侵攻が3年目に入りました。長い間パレスチナ占領を続けるイスラエルによるガザ攻撃は熾烈をきわめています。子どもを含む多くの市民が日々犠牲になっている現状に対し、世界の人びとが「誰も殺すな! 誰も殺させるな!」の声を上げています。日本では市民団体や学生たちが伊藤忠商事とイスラエルの軍事産業大手エルビット・システムズとの協力覚書交換に抗議の声を上げ、伊藤忠はその打ち切りを発表しています。
 しかし、今年3月、政府は戦争に反対する人びとの声に耳をかたむけず、英国・イタリアと共同開発する次期戦闘機の第三国への輸出を解禁する方針を閣議決定。閣議のみでその内容を決定できるとしました。「『現に戦闘が行われている国』は除外する」と「歯止め」の存在を強調しますが、軍事産業と武器輸出は人びとを殺傷する目的のためにあるのだという事実を見すえなければなりません。私たちは、殺傷武器輸出の拡大に反対します。
 また、「台湾有事」を口実にした沖縄・南西諸島や全国の基地要塞化や、国が「代執行」により続けている辺野古新基地建設は、人びとに再び戦場となるのではないかという強い危機感を抱かせています。同様に、戦争において攻撃・占領対象となり、壊滅的な影響を与える原発の存在は大きな恐怖です。13年前の福島原発事故はまだ終わっていません。
 武力で平和はつくれません。武器輸出をさせない! 基地をつくらせない! 原発を廃炉にする! 今、その声をさらに強く上げる必要があります。

◎憲法9条を守り、非戦の未来を

 岸田首相は今年1月の施政方針演説で、自民党総裁の立場でと断ったものの、9月までの任期中に「憲法改正」を実現したいと明言しました。また、憲法審査会では「緊急事態条項」に関連する討議が行われ、それを突破口に早期の「憲法改正」発議を煽る勢力も存在します。「憲法改正」発議をストップさせるためには、日本を再び戦争する国にしようとする政治家を絶対に選挙で選ばないことです。
 2025年10月までに、必ず有権者に衆議院議員を選ぶ機会が訪れます。2009年総選挙時に69.28%あった投票率は、2021年には55.93%まで下がりました。その間、特定秘密保護法(2013年)、安保法制(2015年)、「敵基地攻撃能力」保有を明記した安保関連3文書(2022年閣議決定)、殺傷能力のある武器の輸出容認(2023年閣議決定)、次期戦闘機の輸出解禁(2024年閣議決定)など、立て続けに日本を再び戦争できる国へと変える政治が行われてきました。
 棄権は大変キケンです。100人中45人が投票しないという現状が100人中70人投票するようになれば、政治は変わります。平和も民主主義も、主権者の不断の努力によってこそ実現します。憲法9条の実現を尊重する政治家・政党に投票することで、日本を再び戦争できる国にさせない、非戦の未来を選べます。

❖この意見広告の内容は4月上旬までの情勢をもとにしています

主タイトル

殺すな! 殺させるな!

副タイトル

掲載日

2024年5月3日(憲法記念日)

掲載紙

東京新聞朝刊、毎日新聞全国版朝刊、八重山毎日新聞朝刊、読売新聞全国版朝刊、琉球新報朝刊

賛同者数

9,467件(賛同締切日集計、匿名希望を含む)

2023年期(第25回)市民意見広告運動

2023. 05. 03

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 現在も続くロシアによるウクライナ侵攻は、他国への侵略を禁じた国連憲章に基づく国際秩序を大きく揺るがしました。いったん始まった戦争を終結させることがいかに困難かを、私たちは目の当たりにしています。

◎大軍拡がいのちと暮らしを脅かす

 昨年12月、岸田政権は臨時国会閉会直後というタイミングで安保関連3文書を閣議決定。「反撃能力」と言い換えた「敵基地攻撃能力」保有を明記し、防衛費を5年で43兆円、世界3位の軍事大国となるGDP比2%にまで膨らませました。2023年度予算案の防衛費は米国の巡航ミサイル・トマホーク400発一括購入費2,113億円を含む6兆8千億円余りに達し、これまでにない規模の軍事力拡大を一挙に推し進めています。
 軍事力はそれ自体が他国にとって脅威です。軍事力の保持が「戦争抑止力」になるという考えは、限りない軍拡競争を招きます。それはかえって国家間の緊張を高め、軍事費の増大がそれぞれの国の経済を圧迫して人びとのいのちと暮らしを脅かします。
 岸田政権による大軍拡は、憲法9条の平和主義「戦争の放棄・戦力の不保持・交戦権の否認」を葬り去るにひとしいものです。政府は戦争ではなく、平和の準備をするべきです。私たちは大軍拡と改憲に強く反対します。

◎平和憲法をもつ日本ができること

 政治の何より重要な役割は戦争の回避です。真の平和外交には、和解の難しさがある相手に対しても、互いに譲れない最低限の要求をどれだけすり合わせていけるかの手腕が必要です。私たち主権者には選挙でそのような政治を選ぶ権利があります。
 今月19日に開幕するG7広島サミットは、非戦の憲法9条をもつ日本が世界に対して武力対武力の構図に頼らない戦争回避の道を提案する絶好の機会です。偶発的衝突の危険をはらむ東アジアの平和維持と非核化の重要性を、日本は議長国として広島から世界に発信しなくてはなりません。

◎「戦争できる国」にさせない

 自民党改憲案の目玉である憲法9条への「自衛隊明記」は、違憲の安保法制のもとで自衛隊が米軍と一体になり、日本を世界のどこででも「戦争できる国」に変えることです。集団的自衛権行使を容認する「戦争できる国」には、「同盟国」が行う戦争に巻き込まれ、攻撃を受ける恐れが多分にあることを私たちは知らなければならないでしょう。
 現在、米軍の沖縄・辺野古新基地建設や自衛隊ミサイル配備が進む南西諸島だけでなく、青森県と大分県の自衛隊施設に大型弾薬庫を新設するなど、全国で基地の「強靭化・要塞化」を行う軍事拠点化が進んでいます。偶発的衝突によってもそれらの基地は真っ先に攻撃の対象となり得、危惧する声が各地で上がっています。さらに、福島第一原発の廃炉がほとんど進展していないにもかかわらず、岸田政権は原発の再稼働・運転期間延長・新増設の「原発回帰」に大転換しました。原発はウクライナでも攻撃目標となっており、核兵器使用に等しい惨禍を生む危険性をもつ施設です。
 「戦争できる国」は、人びとから安全な場所を奪います。「有事」に対する社会不安をたくみに煽り、岸田政権が軍事拠点化を進めようとしていることに強く反対します。

◎非戦の未来を選ぶ

 言わない意見は世論になりません。憲法9条も平和も民主主義も、主権者の不断の努力によってこそ守り、実現させることができます。私たちは、戦争しない、戦争させない、非戦の未来を選び続けます。

❖この意見広告の内容は4月上旬の情勢をもとにしています

主タイトル

戦争回避が政治の役割! 大軍拡・改憲に反対します。

副タイトル

平和

掲載日

2023年5月3日(憲法記念日)

掲載紙

朝日新聞全国版朝刊、信濃毎日新聞朝刊、読売新聞全国版朝刊

賛同者数

10,337件(賛同締切日集計、匿名希望を含む)

2022年期(第24回)市民意見広告運動

2022. 05. 03

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◎ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を許さない

 国際法違反のロシア・プーチン政権によるウクライナへの軍事侵攻に強く抗議します。武器をもたない人びとの殺りくや、壊滅的な被害拡散を生む原発への攻撃など、残虐な戦争行為を決して許すことはできません。ロシアがウクライナから即時無条件撤退し、停戦を維持することを強く求めます。

◎二度と核兵器を使ってはならない

 「核兵器はもともと、〝絶滅〞だけを目的とした狂気の兵器です。人間として認めることのできない絶対悪の兵器なのです」(日本被団協「原爆被害者の基本要求」)。核兵器保有国ロシアがその使用を示唆して威嚇したとき、いち早く抗議の談話・声明を発したのは日本の被爆者団体でした。核兵器のない世界を実現するために闘ってきた被爆者の願いを踏みにじったことに対する強い怒りが、そこには込められています。
 安倍晋三元首相や日本維新の会は核保有国との「核共有」の議論を進めるべきだとの動きを見せています。それは核に対し核で応える姿勢を示すことでロシアの核兵器使用威嚇を増長させかねない、危険なものです。決して容認できません。

◎「有事」不安を軍拡に利用するな

 今年「復帰」50年を迎える沖縄では、「沖縄を再び戦場にさせない」という声があがっています。昨年末、「台湾有事」の際に自衛隊と米軍が南西諸島を軍事拠点化する日米共同作戦計画が明らかになったからです。政府が進める南西諸島への自衛隊・ミサイル配備によって偶発的衝突の危険性が高まり、再び戦場となることを、アジア・太平洋戦争末期に悲惨な地上戦を経験した沖縄の人びとは強く危惧しています。
 2022年度防衛予算は、21年度補正予算と合わせ、初めて6兆円を突破しました。岸田政権は公言している「敵基地攻撃能力保有」の内容について、自衛隊機が他国領域に侵入して爆撃するという選択肢を排除しない、としています。政府が「有事」に対する社会不安を巧みに煽り、軍拡を一挙に進めようとしていることに強く反対します。

◎「戦争できる国」にさせない

 施行以来75年間、日本社会の礎であった日本国憲法がかつてない危機にあります。3月の自民党大会で、岸田首相は「今こそ取り組まなければならない課題」として同党案による改憲成し遂げを呼びかけました。自・公政権その他の改憲に積極的な勢力は、今や衆院で4分の3、参院で3分の2以上の議席を占めます。すでに衆院憲法審査会では「緊急事態条項」創設を意識した討議がなされ、多数決による憲法解釈を進んで行う姿勢を見せています。
 改憲勢力が最も重要視しているのは憲法9条への自衛隊の存在明記です。彼らは「災害救助に協力してくれている自衛隊の存在を書くだけ、何も変わらない」などと言いますが、憲法9条に新項として自衛隊の存在を書き込めば、「戦争の放棄・戦力の不保持・交戦権の否認」を定めた現第1項と第2項を無力化してしまいます。それは、違憲の安全保障関連法のもとで自衛隊と米軍が一体になって、日本を世界のどこででも「戦争できる国」に変えることです。
 日本国憲法は人権の基本に個人の尊重を置き、生命、自由、および幸福追求の権利を明記して平和な社会の礎となっています。その一角をねじまげることは、憲法のもつ意思を根底からくつがえしてしまうことです。このような改憲を許すわけにはいきません。

◎参院選で非戦の意思を示そう

 ロシアは「自存自衛のため」と称して、ウクライナへの軍事侵攻を開始しました。かつて日本も同じ名目でアジア・太平洋戦争を引き起こし、多くの人びとを殺傷しました。その反省の上に立ち、政府が「自存自衛」を理由として他国へ軍事侵攻することを固く禁じたのが今ある憲法9条です。世界が核の傘や軍事力依存と決別し、非戦へと向かわなければ、再び悲惨な殺し合いが起きてしまいます。
 世界が武力対武力の構造へと後戻りする危険をはらむ今こそ、憲法を守り、その実現が平和をつくると私たちは考えます。来る今夏参院選で、立憲主義を尊重し、憲法を守り平和な未来をつくる政治家・党に一票を投じること。それも非戦の意思の表明です。

❖この意見広告の内容は4月上旬の情勢をもとにしています

主タイトル

改憲させない! 私たちは非戦を選ぶ。

副タイトル

ころすな

掲載日

2022年5月3日(憲法記念日)

掲載紙

朝日新聞全国版朝刊、沖縄タイムス朝刊、読売新聞全国版朝刊、琉球新報朝刊

賛同者数

11,127件(賛同締切日集計、匿名希望を含む)

2021年期(第23回)市民意見広告運動

2021. 05. 03

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◎コロナ禍から命を守れ

 コロナ禍の中、解雇・雇い止めにあっている人びとは10万人を超えました。関連倒産は女性の非正規労働が多い飲食業の213を最多に、1278件におよびます(2021年4月8日現在)。その日の食費や生理用品を買うお金にも不自由している人びと、増加する女性自殺者。たくさんの人びとが暮らしを奪われ、命すら脅かされています。しかし、「もう自分の力だけではどうにもならない」という声がそこかしこから聞こえるのに、菅義偉首相はなおも「自助」重視の姿勢を変えようとしていません。
 政府は「公助」の最大責任者として、今すぐ、かつ長期的視野でコロナ禍から人びとの暮らしと命を守るための政治へと舵を切る必要があります。そのためには、膨大な防衛予算(2021年度5兆3422億円、7年連続で過去最大を更新)を福祉・医療予算に転換することを、私たちは強く訴えます。

◎「生存権」を脅かすな

 1980年代全国に848カ所あった保健所は現在469カ所とほぼ半減。診療報酬は第2次安倍政権下だけで3回引き下げられて医療機関の経営が悪化、縮小・統廃合も進みました。感染症病床にいたっては、1998年9060床から2020年1869床へと激減しています。PCR検査が思うように受けられない、コロナ専用病床が足りないといった問題の一因がそこにあることは、多くの専門家が指摘するところです。
 憲法25条(別掲)は人びとが人間らしく健康に生きる権利、「生存権」を保障し、政府にその責任を課しています。これは経済的な利潤や効率を求める行為より、人びとの暮らしや命を守ることを上位に置くということです。「生存権」を軽視した医療・公衆衛生の縮小政策推進だけでなく、ひとたび事故が起これば人びとの日常を破壊する原子力発電所の再稼働・新設も同様に到底認められません。
 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が長引く中、利潤や効率を最優先する新自由主義の破綻が明らかになりました。私たちは、そうではない道、憲法前文が掲げる「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利」(抜粋)を実現する政治と経済を選択します。

◎憲法9条の実現「戦争しない国」

 日本はアジア太平洋戦争を「自存自衛」の名のもとに起こし、アジア諸国と日本で多くの人びとの命を奪いました。それに対する強い反省から生まれた憲法9条(別掲)は、「戦争の放棄・戦力の不保持・交戦権の否認」を定めています。他国との平和を実現しようとするとき、領土問題ではいたずらに帰属を争うのではなく、その周辺の平和を維持するための環境と土地・資源利用のための互恵的ルール作りを粘り強く提案し続けることが必要です。
 しかし、安倍政権はその末期、憲法違反の「敵基地攻撃能力保有」まで打ち出しました。同政権の政策継承をうたう菅政権は、2021年度防衛費に陸上自衛隊の地対艦誘導弾の射程延⻑開発費として335億円を盛り込むなど、すでにその実現に着手しています。また、沖縄の人びとの民意を無視して建設を強行している米軍の辺野古新基地に、「日本版海兵隊」とも言われる自衛隊水陸機動団を配備する合意が日米間にあることが明らかになりました。さらに、2021年1月に発効した国連の核兵器禁止条約(核兵器が使用されないためにはその廃絶しかないと宣言)に、日本政府は署名・批准しようとしていません。
 武力によって片をつけようという姿勢を示したり、「核の傘」に頼ったりすることは、憲法9条の意思に真っ向から反します。憲法9条に自衛隊の存在を書き込み同条を無力化し、安保法制下で日本を自衛隊と米軍が一緒になって「戦争できる国」に変えてしまう「自民党改憲」に、私たちは強く反対します。

◎暮らしは政治です

 日本学術会議会員の一部任命拒否の理由について何も答えないなど、主権者をないがしろにした政治を続けている菅政権は、スキャンダラスなところも安倍政治ゆずりです。「モリカケ・桜」問題の解明もうやむやのまま、今度は総務省接待問題。政治を行う資格そのものが問われています。
 前回の国政選挙だった2019年参議院選挙の平均投票率は48.80%でした。有権者の半数以上が自分の意思を選挙で示していません。その結果もたらされたのが、「隠ぺい」「改ざん」「ウソ」、そして「答弁拒否」にまみれた今の政治です。
 スポーツ選手や芸能人が政治的な発言をすると、「政治を持ち込むな」と言われる風潮があります。しかし、政治は人びとの活動や暮らしと切り離すことができないものです。人びとがあらゆる場で大いに政治について発言し、行動することで、政治はまともなものになっていきます。
 秋までに行われる衆議院選挙で、私たちがしっかり意思表示をすれば政治は変わります。政権交代も実現できます。期日前投票や郵便投票も積極利用し、選挙当日は安全な距離を保って行列を作り一票を投じましょう。

主タイトル

武力で暮らしは守れない!

副タイトル

いのち

掲載日

2021年5月3日(憲法記念日)

掲載紙

朝日新聞全国版朝刊、福島民報朝刊、毎日新聞全国版朝刊

賛同者数

9,883件(賛同締切日集計、匿名希望を含む)

2020年期(第22回)市民意見広告運動

2020. 05. 03

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◎武力より憲法9条の平和力!

 2020年、世界が新型コロナウイルスの脅威にさらされました。世界中でこの脅威から命と暮らしを守るためにたたかい続けている人びとに対し、私たちは心からの敬意を払うものです。しかし、政府が適切な対応を行わなければ、それは人災ともなりうることを知りました。たとえば、安倍首相が専門家への相談もなく、唐突に学校の一斉休校を要請したことが、人びとの暮らしを混乱させたり、生活が成り立たなくなったりすることにつながったからです。
 さらに安倍政権は、民主的社会でもっとも尊重されるべき行動の自由という市民的権利の行使をためらわせる「緊急事態宣言」を発出しました。根拠となる改定新型インフルエンザ等対策特措法は宣言発出に国会承認すら不要で、違憲の疑いも指摘されています。また、自民党内からは今回の脅威に「緊急事態のひとつ、改憲の実験台に」という声さえあがりました。安倍政権が、ウイルスへの恐怖から人びとが権力に同調的になってしまいがちな心理をたくみに利用しようとしていることが、そこからすけて見えます。ウイルスの脅威とたたかう中でも、このことが私たちの未来を不安なものにしてしまう危険性を注視する必要があるでしょう。
 安倍首相は、自身の任期が切れる前に「憲法改正」を行う熱意を幾度となくにじませてきました。首相は3月11日の参議院本会議においても、憲法審査会での与野党の枠を超えた「憲法改正」論議を呼びかけています。憲法の擁護義務を課される行政の長である首相が、率先して「憲法改正」を持ち出すことなどあってはならないことですが、その目玉としているのは憲法9条に自衛隊の存在を書き込むことです。
 第二次安倍政権以降の日本はこの7年余りの間に、集団的自衛権の行使を容認する安保法成立(2019年9月)、国会審議を経ない中東オマーン湾周辺への自衛隊派遣(2020年1月)など、戦争ができる国への道を着々と進んできました。憲法9条に新項として自衛隊の存在を書き込むことは、「戦争の放棄・戦力の不保持・交戦権の否認」を定めた現第1項と第2項を無力化し、自衛隊を米軍と一体となって世界のどこででも戦争できる軍隊にすることです。それは戻ることのできない戦争への片道キップだ、と私たちは考えます。
 憲法9条は、人権侵害の最たる行為である戦争を二度と政府にさせてはならないという強い意思を表しています。自衛隊の存在の書き込みは、憲法9条を根本から否定し、その意思を真っ向からねじ曲げるものです。現在の憲法9条のもつ平和力を真に実現していくことこそ、戦争のない暮らしを守る唯一の答えです。

◎安倍改憲はいらない

 ここ数年、国会で森友・加計学園問題や桜を見る会問題といった安倍首相の権力スキャンダルに非常に多くの審議時間が割かれていることを、私たちは見てきました。その陰で、本当に慎重に審議されるべきだった種子法や水道法の改定など、人びとの生活に直結する重要法案がほとんど注目されないまま通過成立してしまっています。
 自身のスキャンダルに対する野党の追及を文書改ざんや隠蔽でかわし、ウソにウソを塗り重ねた答弁をして国会の大事な時間を浪費させてきた安倍首相に、「憲法改正」議論を私たち主権者にうながす資格などありません。今私たちに必要なのは、イージス・アショア配備やステルス戦闘機購入などで莫大にふくれあがっている防衛予算案(2020年度、過去最大5兆3133億円)をゼロから見直し、人びとが直面する脅威や損失にしっかりと充てることができる政治です。
 私たちには主権者として政治家を選び、政治を変える権利があります。2019年夏の参議院選挙の平均投票率は48・80%でした。選挙権をもつ人の約半数以上が自分の権利を行使しませんでした。なんともったいないことでしょうか。10人に5人ではなく、10人に6人が選挙に行けば、政治も私たちの暮らしも変わるのです。
 来る選挙では、憲法をいかし実現することができる政治家に投票して、安倍政権を確実に退陣に追い込みましょう。戦争させない未来を選びましょう。

主タイトル

憲法の意思を変えるな!

副タイトル

いきる

掲載日

2020年5月3日(憲法記念日)

掲載紙

沖縄タイムス朝刊、東京新聞朝刊、毎日新聞全国版朝刊、読売新聞全国版朝刊、琉球新報朝刊

賛同者数

10,958件(賛同締切日集計、匿名希望を含む)

2019年期(第21回)市民意見広告運動

2019. 05. 03

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◎武力で平和はつくれない

 主権者が自由で平等な人びとであること、それが民主主義の根幹です。そして、私たちの憲法はアジア太平洋戦争の反省に基づき、主権者が政府に課したものです。
 しかし、憲法を尊重し擁護する義務を負っているはずの安倍政権は、自ら改憲を声高に主張しています。なかでも、「戦争の放棄、戦力の不保持・交戦権の否認」を定めた憲法9条への自衛隊の存在明記に強い意欲を見せています。
 憲法9条に自衛隊の存在を明記することは、安保法下で制限のない集団的自衛権の行使をともない、米軍と一体化して世界のどこででも戦争のできる軍隊を作ることだと、私たちは考えます。武力では平和も生活も守れません。人びとや国ぐにを対立に追い込む武力ではなく、理解と信頼を構築する対話こそ最も確実、かつお金のかからない安全保障だからです。
 「改定憲法」の2020年施行を念頭におく安倍政権は、自衛隊の災害救援活動礼賛や自衛官家族の心情など情緒論を前面に出して、改憲の危険性から人びとの目をそらそうと躍起になっています。しかし、権力者がしばしば自分たちの都合に合わせて憲法や法律などを変えてきた歴史を、私たちは忘れるわけにはいきません。

◎民主主義はどこへ行った

 基地による深刻な航空機騒音・人権侵害・環境破壊などに長い間苦しめられてきた沖縄の人びとは、この上の新たな基地の押しつけはごめんだという意思を本年2月の「辺野古米軍基地建設のための埋立ての賛否を問う県民投票」の結果で示しました。実に、投票した7割超の人びとが「新基地建設ノー」の意思を明らかにしたのです。
 この沖縄の民意は一朝一夕に得られたものではありません。粘り強く県民投票を準備してきた多方面の人びとの努力の結果示されたものです。しかし、日本政府はそれを平然と無視し、工事強行を続けています。沖縄には民主主義がなくてもよい、というのでしょうか。
 そんな安倍政権にこれ以上政治の舵をとらせる訳にはいきません。

◎アベノミクスは大失敗

 安倍政権は、アベノミクスのいわゆる三本の矢の「異次元の金融緩和」と「積極的な財政出動」で株価の上昇や円安を演出して見せてきました。しかし、このマネーゲームにより一部大企業が利益を享受する一方で、中小企業の経営や市井の暮らしは疲弊してきています。
 とくに国内総生産の約55パーセントをしめる個人消費が伸び悩んでいます。その原因のひとつは、2018年の一般勤労世帯における月間可処分所得約40万円が2000年の約43万円から3万円も落ち込んだままでいることにあります。
 他方、深刻な原発事故を経験していながら安倍政権がその危険性を省みることなく成長戦略の要としてすすめた英国やトルコなどへの原発輸出も今や壊滅状態です。
 大いなる失敗作といわざるをえないアベノミクスとともにもう彼らには退場してもらうしかありません。

◎安倍改憲に勝つ

 12年前の2007年、主権者たちは年金問題や相次ぐ閣僚の不祥事が続いた第一次安倍政権に対して参院選挙でノーの意思を示しました、その結果が首相の退陣、その後の政権交代につながりました。主権者一人一人の一票一票の積み重ねが流れを変えます。
 ここ最近だけを見ても公文書改ざんや政策立案の基となる統計の不正など、安倍一強政治のもたらした弊害は人びとの暮らしの根底をおびやかしています。今夏の選挙で安倍政権を確実に退陣に追い込み、危険な改憲への道を閉ざし、民主主義を取り戻しましょう。

主タイトル

安倍改憲に勝つ

副タイトル

ひと

掲載日

2019年5月3日(憲法記念日)

掲載紙

朝日新聞全国版朝刊、中日新聞朝刊、東京新聞朝刊、読売新聞全国版朝刊

賛同者数

11,217件(賛同締切日集計、匿名希望を含む)

2018年期後半(第20回)市民意見広告運動

2018. 05. 03

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 私たちがいま「改憲」に反対する3つの理由

 戦後日本社会の礎であった憲法が、いま危機に直面しています。憲法「改正」を主張する政権与党などの議員の議席数が国会衆・参両院で3分の2を超え、改憲の国会発議や国民投票がいつ行われても不思議ではない状況だからです。

◎1.まやかしの「9条加憲論」

 安倍改憲の最大のねらいは憲法9条の「加憲」と言われています。戦争放棄を定めた9条第1項と、戦力の保持および交戦権を否定した第2項を残したまま、自衛隊の存在を明記した第3項を追加するというものです。しかし、前項の定めと明らかに矛盾した第3項を加えることは、前項によって自衛隊の活動が制約を受けるのではなく、自衛隊の明記が前項の定めを否定する(後法優先の原則)結果となる可能性を、多くの憲法学者が指摘しています。
 北朝鮮のミサイル発射実験や尖閣諸島周辺海域への中国船舶の「侵犯」を強調し、Jアラートを鳴らして政府は危機感をあおり立てています。しかし、武力で平和はつくれません。私たちの主張は、いかなる情勢下であれ「武力による威嚇や武力行使、戦争は決して行ってはならない」ということです。日米安保条約、集団的自衛権行使、辺野古新基地建設などに私たちが反対する根っこは、すべてここにあります。私たちが目指すのは、戦争をする普通の国ではなく、戦争をしない特別の国です。

◎2.危険極まりない「緊急事態条項」

 自民党は「東日本大震災における政府の対応の反省も踏まえて」緊急事態条項を憲法に新設すると説明しています。しかし想定される災害緊急事態への必要な備えは、すでに法律で定められています。東日本大震災の真の教訓は、「ない」とされていた原発過酷事故など、想定外の非常事態に対しては、中央政府にいかなる強大な権力を与えても適切な対応はできない、ということです。
 緊急事態条項とは、非常事態において「国家存立のため」に、憲法が定めた基本的人権と三権分立を一時停止し、強大な権利を政府に集中させる国家緊急権といわれる制度です。しかし、政府による国家緊急権の濫用が国民の生活を抑圧し、民主主義を破壊し、独裁政治を生み出すもととなった多くの歴史の教訓があります。
 国防や社会秩序の維持、テロの防止などを口実に、不当な目的への適用や過度の人権侵害など、権力の濫用につながることを私たちは強く危惧します。

◎3.民主主義の根幹は「個人の尊重」

 自民党改憲草案は、憲法13条「すべて国民は、個人として尊重される」の「個」を削って「全て国民は、人として尊重される」とし、同条「国民の権利については、公共の福祉に反しない限り(…中略…)尊重」を「国民の権利については、公益及び公の秩序に反しない限り(…中略…)尊重」と修正しています。
 「個人の尊重」とは、すべての個人がお互いを自立した人間として尊重し合うという、日本国憲法の基底にある考え方です。「公共の福祉」とは「自分以外の人間の人権も尊重する」という考え方です。単なるヒトや国益・秩序を優先することとは全く意味が異なります。一人ひとりをかけがえのない個人として尊重しなければならないからこそ、国は一人ひとりの自由・人権を守らなければいけないのです。
 基地に囲まれた沖縄における人権侵害、今なお避難生活や健康被害が続く原発被害、経済格差拡大と貧困、聞くに堪えないヘイトスピーチ。私たちがそれらすべてに反対し抗議する根本は、「個人の尊重」こそ決して失ってはいけない価値だからです。

 民主主義を踏みにじるかのような政治家の巧妙な言葉のトリックにだまされてはいけません。国家権力を後ろ盾とした組織力と豊富な資金力は、国民投票の結果すら左右します。
 自民党・安倍政権の改憲は、日本国憲法の根幹の理念を大きく変えるものです。一人ひとりが声をあげ、行動を起こしましょう。私たちは、この平和憲法を「変えない」を選びます。

主タイトル

「変えない」を選ぶ 9条をこわすな

副タイトル

9

掲載日

2018年5月3日(憲法記念日)

掲載紙

秋田魁新報朝刊、朝日新聞全国版朝刊、東京新聞朝刊、琉球新報、読売新聞全国版朝刊

賛同者数

11,873件(賛同締切日集計、匿名希望を含む)

2018年期前半(第19回)市民意見広告運動

2018. 01. 21

詳細を表示
 昨年の衆議院選挙で与党の自公は3分の2以上の議席獲得しました。すでに参議院でも与党が3分の2以上を占めており、いまの通常国会での改憲発議も可能な状態にあります。さまざまな不公平性が指摘されている国民投票法にもとづいて国民投票が実施されれば、改憲の可能性は極限まで高まります。

 自民党が提出する改憲案には「緊急事態条項新設」など複数の案件がもりこまれると予想されています。しかし、改憲の最大の狙いが第9条なのはいうまでもありません。安倍首相は、現条項は変えず単に新しい項を追加するだけのように装っていますが、「戦争法」(安全保障関連法)を強行採決により成立させ、集団的自衛権を合憲としたうえで、軍隊としての自衛隊を憲法に位置づけたらどうなるのでしょうか?

 歴代政府が唱えてきた専守防衛すら絵空事になり、外国への攻撃も可能となります。アジア太平洋戦争の惨禍を生んだことに対する反省からできた、戦争はしない、戦力はもたない、国に戦争をさせないという、日本国憲法のありかたそのものを変えてしまうのです。私たちは、そうした安倍改憲に反対します。

 そして―
 私たちは私たちの手で、9条をまもり、自由をまもり、命をまもり、人権をまもり、憲法をとりもどしましょう。未来をつくるのは、政治家ではなく主権者である私たち市民の意志です!

●日本国憲法第9条

1、日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2、前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

主タイトル

武力で平和はつくれない 憲法を市民の手にとりもどす!

副タイトル

WAR IS OVER

掲載日

2018年1月21日

掲載紙

朝日新聞全国版朝刊

賛同者数

19、20回通して賛同を募ったため未公表(賛同者氏名掲載なし)

2017年期(第18回)市民意見広告運動

2017. 05. 03

詳細を表示
◎70年前、希望は憲法だった

 1947年5月3日、敗戦の混乱と平和への希望が交錯する中で日本国憲法は施行されました。

 戦争は人間をほろぼすことです。世の中のよいものをこわすことです。だから、こんどの戦争をしかけた国には大きな責任があるといわなければなりません。(1947年文部省発行 中学年生用社会科教科書「あたらしい憲法のはなし」より)

 「満州事変」以来15年にも及ぶ長い戦争の時代が終わった解放感、死の恐怖から逃れた安堵感は、戦争放棄、戦力の不保持を定めた第9条の精神と重なりました。この平和主義をはじめ、国民主権、基本的人権の尊重を明文化したあたらしい憲法は人々の誇りとなりました。(「それは決して単なる〝敗戦の結果”ではなく、積極的な世界政治理想への先駆なのである」1947年5月3日讀賣新聞社説より)

 人間がこの世に生きてゆくからには、じぶんのすきな所に住み、(略)じぶんの思うことをいい、じぶんのすきな教えにしたがってゆけることなどが必要です。(前掲「あたらしい憲法のはなし」より)

 戦争中は、国民の自由な意見や思いを公にすることは制限されていました。戦争に反対したり、国に不都合な思想や信仰を持ったりするだけで、治安維持の名目により犯罪とされることさえあったのです。国のありかたは主権者である国民自身が決める。人は生まれながらに、等しく権利を持つ。そして戦争によって殺し、殺されない。これを国の基本姿勢として憲法で定め、70年前の今日、歩みはじめたのです。

◎だまるな、だまされるな、棄憲は危険!

 様々な懸念の中で強行され、その後突然撤収となった南スーダンへの自衛隊PKO派遣、増大する武器輸出、米軍基地の沖縄への押しつけ、非正規雇用の増大と格差の拡大、親から子への貧困の連鎖、高齢者の頼みの綱である年金のカット、国民の大多数が反対している原発の再稼働(毎日新聞2017年3月世論調査・再稼働反対55%、賛成26%)など。現状は日本国憲法が定める政治とはかけ離れています。
 そのうえ政府は、個人の意思までも処罰の対象とする恐れのある「共謀罪」(組織犯罪処 罰法改正案)の制定や、内閣の独裁につながりかねない緊急事態条項を憲法で定めることまで主張しています。
 国会で自民公明の与党議員が圧倒的多数を占めるなか、強行採決の横行、政府の国会軽視など、民主主義の危機的状況が続いています。安倍首相は自身が意欲を示している「憲法改正」を実現するため、衆議院解散の時期をうかがっています。しかし本来、選挙は私たち国民が主権を行使する手段です。憲法に書かれた日本を実現する政党、政治家を選ぶ大切な機会なのです。

◎憲法に書かれた日本を実現しよう!

 もうだまってはいられない、そう考えた私たちは憲法施行70周年を記念する今日、みなさんに「いま憲法が危ない」ことを訴えるために、この意見広告を掲載しました。

 われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。(日本国憲法前文より)

 こう高らかに宣言した日本国憲法こそ、さまざまな思想、信条、文化をもつ世界の人々と ともに未来を生きる、そのために活かすべき平和の理念です。

主タイトル

憲法70年 未来につなぐごう

副タイトル

武力で平和はつくれない。いままでも、これからも。 黙らない。この意見広告は、主権者であるわたしたちが、直接発言する紙上のデモです。

掲載日

2017年5月3日(憲法記念日)

掲載紙

朝日新聞全国版朝刊、毎日新聞全国版朝刊、読売新聞全国版朝刊

賛同者数

11,209件(賛同締切日集計、匿名希望を含む)

2016年期後半(第17回)市民意見広告運動

2016. 10. 19

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◎棄権はキケン!

 2014年総選挙の自民党の得票数は、比例区で全有権者のわずか17パーセント未満です。小選挙区でも25パーセントに届きません。一方、入れたいと思う政党や候補者がいないからなどの理由で選挙に行かなかった人は、全体の53パーセントにのぼります。
 政府にとって不都合なことは特定秘密保護法で市民から隠し、フクシマの事故検証も終わらないまま原発を再稼働させる。武器輸出三原則を反故にして輸出を大っぴらに始め、格差と貧困を放置する一方で大企業優遇政策を推進する。そうやって安倍政権は市民の暮らしの安心と安全を奪ってきました。
◎そのあげく、昨年9月、安倍政権は広範な市民の反対の声を無視して安全保障関連法(安保法)を成立させました。歴代政府が「違憲」だと説明してきた「集団的自衛権」を「合憲」と言い訳し、政府が「存立危機事態」と判断すれば、世界のどこへでも自衛隊を派遣し戦闘を可能にする法律です。「選挙に行っても何も変わらないし」と棄権してしまうのは、まさにこうした安倍政権の思うつぼです。

◎与党に3分の2の議席を与えてはいけない!

 衆議院で与党とその同調者が3分の2を占める現在、参議院でも与党に3分の2の議席を許せば、緊急事態条項新設や憲法9条の戦争放棄の定めの廃止や公言している自民党憲法草案の実現に大きく近づくことになります。
 70年前の大戦は、アジア全体でおよそ2,300万人もの死者を出しました。敗れた日本人は、「国によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し、武力による国際紛争の解決を永久に放棄する」とした日本国憲法第9条を自然に受けいれました。9条誕生から70年を迎える今年、満18歳以上の未成年が初めて選挙権を行使します。憲法誕生と同じ年、女性に選挙権が認められました。そのとき、女性たちは喜びを胸に列に加わり、未来を決める選挙に臨みました。
 主権者はわたしたち。この権利をずっと大切に使うことが未来の平和を守ることにつながります。

◎7月10日 政治を変える!

 今度の選挙は棄権しないでください。10人に5人しか投票に行かない現状を、10人に6人が投票するようにすれば、それだけで政治は大きく変わります。たとえ支持政党ではなくても、憲法違反の安保法を廃止するために共闘している野党へ一票を投じること。日本を再び戦争する国にしないために、今それが本当に必要です。

主タイトル

戦争させない未来を選ぶ

副タイトル

主権者はわたしたち

掲載日

2016年6月19、20、21日

掲載紙

朝日新聞全国版朝刊(6月19日)、毎日新聞全国版朝刊(6月20日)、読売新聞全国版朝刊(6月21日)

賛同者数

11,607件(第16回に同じ、賛同者氏名の掲載なし)

2016年期前半(第16回)市民意見広告運動

2016. 05. 03

詳細を表示
◎安保法に反対します

 昨年9月19日、国会前を埋めつくした市民が反対の声をあげる中、安倍政権は安全保障関連法(安保法)を成立させました。安保法は集団的自衛権の行使を許すものです。「存立危機事態だ」と政府が言えば、世界のどこへでも自衛隊派兵を行うことができます。
 日本国憲法は第9条で、武力による国際紛争の解決を永久に放棄しています。したがって、安保法は憲法違反です。安倍首相自身も、安保法反対の世論が多いことは知っています。そこで、「国民にわかるように説明する」 と言いましたが、その約束は守られていません。野党5党共同提出の同法廃止法案の審議も拒んでいます。憲法違反の安保法を認めることはできません。

◎市民にはこの国を変える力があります

 安保法に反対するため、SEALDs(シールズ)などの若者、市民運動の垣根を越えて合流した総がかり行動、研究室から出た学者、子どもの未来を案ずるママなど、様々な市民が立ち上がりました。その人々の中から、「野党は共闘!」というコールがわき起こりました。今はそれを合い言葉に、参院選で野党統一候補者を後押しする50グループ以上の市民運動が全国で動き始めています。
 安倍政権とその同調者は、安保法だけではなく、さらに緊急事態条項という立憲主義を踏みにじる条文を憲法に加えようとしています。わたしたちは今夏の選挙で、彼らに3分の2の議席を許すわけにいきません。権力者の暴走をくい止める憲法を選挙で取り戻すのは、市民に与えられた力です。

◎戦争は止められます

 米国と安保条約および地位協定を結んでいる日本は、ベトナム戦争やイラク戦争などに深く関わってきました。それでも、自衛官の銃弾が直接市民を殺傷することだけはありませんでした。しかし、安保法が成立した今、世界のどこかでいつそれが現実となってもおかしくない事態になっています。
 戦争ができる国にではなく、戦争を止める国になることはできます。辺野古の新基地建設に反対する闘いは、沖縄県民の人権を守り、戦争への加担を非暴力で拒むものです。市民による武器輸出反対の運動にも、戦争を止める力があります。

◎選挙は主権者が意志を示す場です

 特定秘密保護法制定、原発再稼働と輸出、軍事予算増強、「アベノミクス」の下での大企業優遇減税や社会保障費削減など。この3年間の安倍政治は、市民の暮らしをおびやかすことばかりでした。
 被害を受けた若者や子育て世代、高齢者は怒りの声をあげています。その声に耳をかそうともしない政治家たちを、再び議会に送ることはできません。安倍政治はもういらない。

主タイトル

主権者はわたしたち

副タイトル

戦争させない

掲載日

2016年5月3日(憲法記念日)

掲載紙

朝日新聞全国版朝刊

賛同者数

11,607件(賛同締切日集計、匿名希望を含む)

2015年期後半(第15回、韓国語・日本語併記)市民意見広告運動

2015. 09. 15

詳細を表示
私たちは2003年以来毎年、新聞に反戦平和を訴える意見広告を掲載している日本の市民グループです。そして今、海外派兵の拡大を図る日本政府の政策に反対しています。

◎戦争責任

 日本は70年前まで、植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の苦痛と損害をもたらしました。かつて日本が起こしたこの戦争の責任を引き継ぐことは、私たち現世代の責務です。
 私たちは、戦争を起こした諸原因の除去に努めるとともに、被害を受けたすべての国の人々に対して、心からお詫びを申し上げます。
 そして、戦争のすべての被害者への誠実な謝罪と正当な補償の速やかな実行を、私たちの政府に対して求めていきます。そのことが、二度と戦争を起こさない最も正しく有効な方法と信じるからです。

◎アジアに平和な海を

 残念なことに、領土・領海をめぐる国家間の対立が高まっています。この対立による軍備拡大や政治利用を許してはいけません。国家間の対立に市民が利用されることがあってはなりません。こういう時期こそ、各国の市民レベルの交流を積極的に進め、相互の立場と主張について理解を深め、現実的で互恵的な解決策を話し合いで求めていきましょう。

◎憲法9条

 私たちは敗戦後、戦争と武力行使の権利を永久に放棄し、戦力の保持と国の交戦権を否定する憲法9条を制定しました。この9条は、戦場での恐怖と狂気、偏狭なナショナリズムがもたらす憎悪、愛する人を戦争で失った悲しみなどを通し、永久に戦争はしないと誓った当時の人々の希望でした。
 この憲法9条の理念は日本人のアイデンティティとなっています。戦後70年間、日本は戦場で一人の敵を殺したことも、一発の銃弾を放ったこともありません。しかし日本政府はいま、多数の国民の反対にも拘わらず、この憲法に反し戦争立法を進めています。

 私たち日本市民は「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有すること(日本国憲法前文より)」を再確認します。そして、9条の実現を通して核も戦争もない平和な世界を築くことを目指します。

 12,791名の日本市民有志より

主タイトル

政府と立場を異にする日本市民からの戦後70年メッセージ

掲載日

2015年8月15日(光復節)

掲載紙

東亜日報(동아일보)

賛同者数

12,791件(第2次賛同締切日集計、賛同者氏名掲載なし)

2015年期後半(第15回、中国語簡体字・英語併記)市民意見広告運動

2015. 09. 02

詳細を表示
私たちは2003年以来毎年、新聞に反戦平和を訴える意見広告を掲載している日本の市民グループです。そして今、海外派兵の拡大を図る日本政府の政策に反対しています。

◎戦争責任

 日本は70年前まで、植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の苦痛と損害をもたらしました。かつて日本が起こしたこの戦争の責任を引き継ぐことは、私たち現世代の責務です。
 私たちは、戦争を起こした諸原因の除去に努めるとともに、被害を受けたすべての国の人々に対して、心からお詫びを申し上げます。
 そして、戦争のすべての被害者への誠実な謝罪と正当な補償の速やかな実行を、私たちの政府に対して求めていきます。そのことが、二度と戦争を起こさない最も正しく有効な方法と信じるからです。

◎アジアに平和な海を

 残念なことに、領土・領海をめぐる国家間の対立が高まっています。この対立による軍備拡大や政治利用を許してはいけません。国家間の対立に市民が利用されることがあってはなりません。こういう時期こそ、各国の市民レベルの交流を積極的に進め、相互の立場と主張について理解を深め、現実的で互恵的な解決策を話し合いで求めていきましょう。

◎憲法9条

 私たちは敗戦後、戦争と武力行使の権利を永久に放棄し、戦力の保持と国の交戦権を否定する憲法9条を制定しました。この9条は、戦場での恐怖と狂気、偏狭なナショナリズムがもたらす憎悪、愛する人を戦争で失った悲しみなどを通し、永久に戦争はしないと誓った当時の人々の希望でした。
 この憲法9条の理念は日本人のアイデンティティとなっています。戦後70年間、日本は戦場で一人の敵を殺したことも、一発の銃弾を放ったこともありません。しかし日本政府はいま、多数の国民の反対にも拘わらず、この憲法に反し戦争立法を進めています。

 私たち日本市民は「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有すること(日本国憲法前文より)」を再確認します。そして、9条の実現を通して核も戦争もない平和な世界を築くことを目指します。

 12,791名の日本市民有志より

主タイトル

日本市民からの戦後70年メッセージ

掲載日

2015年9月2日

掲載紙

South Chaina Morning Post(香港)

賛同者数

12,791件(第2次賛同締切日集計、賛同者氏名掲載なし)

2015年期後半(第15回、中国語繁体字・英語併記)市民意見広告運動

2015. 09. 02

詳細を表示
私たちは2003年以来毎年、新聞に反戦平和を訴える意見広告を掲載している日本の市民グループです。そして今、海外派兵の拡大を図る日本政府の政策に反対しています。

◎戦争責任

 日本は70年前まで、植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の苦痛と損害をもたらしました。かつて日本が起こしたこの戦争の責任を引き継ぐことは、私たち現世代の責務です。
 私たちは、戦争を起こした諸原因の除去に努めるとともに、被害を受けたすべての国の人々に対して、心からお詫びを申し上げます。
 そして、戦争のすべての被害者への誠実な謝罪と正当な補償の速やかな実行を、私たちの政府に対して求めていきます。そのことが、二度と戦争を起こさない最も正しく有効な方法と信じるからです。

◎アジアに平和な海を

 残念なことに、領土・領海をめぐる国家間の対立が高まっています。この対立による軍備拡大や政治利用を許してはいけません。国家間の対立に市民が利用されることがあってはなりません。こういう時期こそ、各国の市民レベルの交流を積極的に進め、相互の立場と主張について理解を深め、現実的で互恵的な解決策を話し合いで求めていきましょう。

◎憲法9条

 私たちは敗戦後、戦争と武力行使の権利を永久に放棄し、戦力の保持と国の交戦権を否定する憲法9条を制定しました。この9条は、戦場での恐怖と狂気、偏狭なナショナリズムがもたらす憎悪、愛する人を戦争で失った悲しみなどを通し、永久に戦争はしないと誓った当時の人々の希望でした。
 この憲法9条の理念は日本人のアイデンティティとなっています。戦後70年間、日本は戦場で一人の敵を殺したことも、一発の銃弾を放ったこともありません。しかし日本政府はいま、多数の国民の反対にも拘わらず、この憲法に反し戦争立法を進めています。

 私たち日本市民は「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有すること(日本国憲法前文より)」を再確認します。そして、9条の実現を通して核も戦争もない平和な世界を築くことを目指します。

 12,791名の日本市民有志より

主タイトル

日本市民からの戦後70年メッセージ

掲載日

2015年9月2日

掲載紙

The Straits Times(シンガポール)

賛同者数

12,791件(第2次賛同締切日集計、賛同者氏名掲載なし)

2015年期後半(第15回)市民意見広告運動

2015. 08. 15

詳細を表示
◎戦争をしない国日本

 今年も憲法九条がノーベル平和賞の候補になるなど、世界の人々の間に平和国家としての日本のイメージが確立しつつあります。
 第二次世界大戦後、日本が海外の戦争や紛争で一発の銃弾も発射しないという選択を続けてきたからです。しかし、安倍政権はその貴重な歴史に終止符を打とうとしています。
 かつて日本はアジアの国々を侵略し、たくさんの人々を殺し傷つけたあげく、国内でも多くの犠牲者を出しました。
 私たちは「二度と戦争はしたくない」と痛切に願い、国に戦争をさせないと決めた憲法を定め、守ってきました。

◎集団的自衛権の行使容認は憲法違反

 各種の世論調査が示すように、憲法九条を支持する人は日本の有権者の半数を優に超えています。憲法を国民投票で変える自信がない安倍首相は、憲法の解釈を閣議決定で勝手に変更するという異常な手段で、集団的自衛権の行使を容認しました。
 しかし、自民党が国会の参考人として推薦した憲法学者を含め、ほとんどの法律専門家がこれを憲法違反とみなしています。

◎国のあり方を政府が勝手に変えるな

 安倍内閣になってからの二度の総選挙や参議院選挙で、私たちはこのように国のあり方を根本的に変える安全保障政策の是非を問われることはありませんでした。
 「国際環境の変化」を理由にして、あるいは「積極的平和主義」「日本の平和と安全のため」などと美化しても、戦争は武力で人を脅し傷つけ殺すものであることに変わりはありません。

◎私たちは非戦を選び続ける

 今年は敗戦七十年となる節目の年です。このあとも戦争をせず、百年、二百年を迎えるために、私たちは一連の戦争法案に反対します。
 私たちはこれからも武力によらない平和をめざします。

◎新たに有権者となる240万人の若いみなさんへ

 戦場に一番近いのは、戦争法を制定しようとしている政治家たちではなく、みなさん方、若者です。威勢の良い言葉に惑わされることなく、戦争をしない国に生まれたことを誇りとして投票行動をして下さることを願っています。

◎自衛隊員のみなさんへ

 みなさんの基本的人権は、憲法九条、十一条によって守られています。憲法に違反する上官の命令は拒否する権利があります。
 政治家が下す命令によって、あなたやあなたの部下のかけがえのない命が失われることがないことを切に願っています。

主タイトル

これからも非戦の道を選ぼう

掲載日

2015年8月15日(敗戦記念日)

掲載紙

朝日新聞全国版朝刊、琉球新報朝刊

賛同者数

12,791件(第2次賛同締切日集計、賛同者氏名掲載なし)

2015年期前半(第14回)市民意見広告運動

2015. 05. 03

詳細を表示
 安倍首相は今年月の施政方針演説で憲法「改正」にとりかかることを明言、来年夏の参議院選挙後には憲法改正を発議する方針をあきらかにしました。これまで安倍首相の憲法無視の政策と手法を見てきた私たちは、改めて怒りを新たにしました。

◎拡大する自衛隊の活動

 戦後70年にあたる今年、世界はいわゆる「イスラム過激派」のテロ事件で大きく揺れました。安倍首相はこの事態を逆に利用して、次々と自衛隊の海外活動を拡大するための関連法制定に乗り出しています。
 周辺事態法の「周辺」という2字を取り除いて、自衛隊を地球上のどこへでも派遣できるようにする、国連決議のない「有志連合」の他国軍への後方支援も迅速に対応できるようにする、さらにはPKOへ参加する自衛隊の武器使用基準を緩和するなど、自衛隊の活動範囲を一気に広げようとしています。

◎国の「存立」とは?

 安倍政権はこれまでも、憲法が政府を束縛するという立憲主義の大原則を踏みにじり、法の番人と言われる内閣法制局長官の首をすげ替える一方、人びとの知る権利を恣意的に制限する特定秘密保護法を施行するなど、集団的自衛権の行使を容認するための政策を強行してきました。
 首相が主張する「積極的平和主義」「切れ目のない安全保障」が何を意味するかは、はっきりしています。日本への直接攻撃がなくても「国の存立に関わる事態」ならば、中東であれアフリカであれ出かけて行って戦争に参加するということです。しかし、私たちはあなた方政府に「国の存立に関わる事態」かどうかの判断を任せるつもりは全くありません。
 日本もかつては、帝国主義国家として朝鮮・中国を侵略し、「自存自衛」のためと称して東アジア・東南アジア全域に戦線を拡大しました。70年前の戦争で、日本人310万人、アジア2000万人を超える犠牲者を出した私たちは、そのことを胸に不戦を誓い平和憲法を制定したのです。

◎イラク戦争が生んだテロ

 12年前、米国のブッシュ政権は、イラクのフセイン政権が大量破壊兵器を保有しているとして、国連の決議もなしに戦争を仕掛けました。日本も後方支援国として参加したこの戦争は、一つの大量破壊兵器も見つけられなかっただけでなく、50万人とも言われる死者をもたらし、今日のイラクの混乱と憎しみの連鎖を生みだしました。
 そうした中で、いわゆる「イスラム国」が勢力を伸ばしたのです。テロリズムはいかなる場合でも許されることではありませんが、武力で解決できるものでもありません。

◎戦後70年首相談話への要求

 戦後レジームからの脱却を唱える安倍首相は今年、戦後70年の日本の歩みを総括する談話を準備しています。私たちはこの談話で、特に次の3点がはっきり示されることを要求します。
 明治時代以来、アジア諸国に対して日本国家が犯した侵略・犯罪行為のすべてに対する謝罪と可能な限りの補償。とくに、慰安婦問題についての誠意ある対応。
 領土問題は、いたずらに帰属を争うのではなく、その周辺の平和を維持するための環境と、土地・資源を活用するための互恵的ルール作りをめざすこと。
 沖縄の人びとにとくに負担を強いている米軍基地の一日も早い撤去を実現するため、日米安全保障条約と日米地位協定をゼロから見直すこと。沖縄県民の意思を尊重し、辺野古地区に新しい軍事基地を建設するためのすべての工事を直ちに中止すること。

◎すべての人に平和的生存権を!

 平和に対する脅威は、武力ばかりではありません。野放図な経済成長神話や原子力発電の安全神話により、地球環境と地域社会が破壊され、経済格差がますます拡大しようとしています。
 私たちは、憲法前文が保障した平和的生存権、すなわち、「恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利」が、わたしたちだけでなく、どの国の人びとにも保障されるべきことを主張します。

主タイトル

総理!そんなに戦争したいですか? 私たちは、平和的生存権を要求します!

副タイトル

守ろう

掲載日

2015年5月3日(憲法記念日)

掲載紙

沖縄タイムス朝刊、毎日新聞全国版朝刊、読売新聞全国版朝刊

賛同者数

9,970件(第1次賛同締切日集計、匿名希望を含む)

2014年期(第13回)市民意見広告運動

2014. 05. 03

詳細を表示
◎戦争のできる国への準備がすすんでいます

 きょう、2014年5月3日は、日本が戦争のできる国になる前の最後の憲法記念日になるかもしれません。「集団的自衛権」の名の下に、自衛隊がアメリカ軍と肩をならべて戦争に加わるようなことにならないために、私たちに何ができるか。今、その《未来への責任》が私たちに問われています。
 昨年、多くの市民や法律家、マスメディアなどの強い反対を無視して特定秘密保護法が成立し、さらに国家安全保障会議設置を始めとした戦時体制を思わせる一連の法整備が矢継ぎ早に進み、4月1日には武器輸出三原則の緩和が閣議決定されました。そして今度は、これまでの政府解釈でさえ違憲とされてきた「集団的自衛権」の行使が閣議での解釈変更だけで容認されようとしています。
 その時々の内閣が都合のよいように憲法解釈を変えるのは、《政府や国会が憲法に制約される》という立憲主義に反するだけでなく、国務大臣や国会議員に課せられた憲法尊重擁護義務を踏みにじるものです。

◎「集団的自衛権」は戦争の口実です

 「自衛のための必要最小限度の実力」と歴代政権によって位置づけられた自衛隊が、海外で公然と武力行使することを可能にしてしまうかどうか、大きな分岐点に私たちは立っています。
 安倍首相は、「日本近海の公海上において、ミサイル防衛のため警戒にあたる米国のイージス艦が攻撃を受けるかもしれない」といった非現実的な想定を持ち出し、集団的自衛権行使を正当化しようとしています。
 その集団的自衛権とは、アメリカのアフガニスタンやイラク攻撃の際に、イギリスなどが参戦の理由に使ったような軍事介入の口実にすぎませんでした。軍事力の行使を認めることは、戦争を可能にする重大な一歩であり、基本的人権を次第にむしばみ個人より国家を優先する社会への道です。

◎軍拡より原発被災者の生存権保障を

 国家の武力行使が人びとにどのような惨禍をもたらすか、私たちは69年前に終わったアジア・太平洋戦争で経験しました。それにもかかわらず、「侵略の定義は定まっていない」という特異な歴史認識を持つ安倍晋三首相は、近隣諸国との無用な緊張を生み出しています。
 政府は、この自ら招いた国際緊張を口実に「我が国の安全保障をめぐる環境が一層厳しさを増している」として陸海空自衛隊の一体運用と機動力強化を目指し、防衛費の増額を決定しました。新型輸送機や無人偵察機、水陸両用車を調達する計画なども打ち出しています。こうした軍事力による対抗は、際限のない軍拡競争と緊張を招くだけです。
 近隣諸国との緊張をあおりつつ、強引な解釈改憲によって集団的自衛権の行使を可能にして、何を守るというのでしょう。一方原発事故によって福島では広大な土地が汚染され、13万人を超える人びとがいまなお避難生活を余儀なくされています。これらの被災者の平和的生存権を守ることこそが最重要の政府の責務ではないでしょうか。

◎9条の実現

 日本国憲法第9条で「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と定めたのは、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しよう(憲法前文)」とする決意に基づくものです。
 この国民の平和への意志にもかかわらず、歴代内閣は、日米安保条約のもと、自衛隊の増強と海外派兵を可能にすることを追求してきました。9条の力を生かしていなかったのです。
◎前文と9条に示された日本国憲法の平和主義は、緊張をしずめ善隣友好を基礎とした外交や、諸国民どうしの交流を活発にする政策を求めています。また、軍縮や非核地帯の設置などに日本が積極的な役割を果たすためにも、9条の実現がいまこそ求められています。


◎戦争のない未来へ

 与党が国会でどれだけ多数を占めていようと、私たちは政治を彼らに白紙委任したのではありません。集団的自衛権の容認を許さず、憲法の平和主義と立憲主義を護るために、市民一人ひとりが行動を起こしましょう。
 若者が生命を奪われる、あるいはまた、他者の生命を奪うよう命じられる戦争を再びおこしてはなりません。次の世代の未来を決める権利と責任は安倍首相にではなく、私たちにあります。

主タイトル

未来への責任、9条実現 集団的自衛権は戦争への道

副タイトル

殺すな

掲載日

2014年5月3日(憲法記念日)

掲載紙

朝日新聞全国版朝刊、東京新聞朝刊

賛同者数

8,327件(賛同締切日集計、匿名希望を含む)

2013年期(第12回)市民意見広告運動

2013. 05. 03

詳細を表示
◎「集団的自衛権の行使」とは、米国の戦争に参加するということです

 今年2月末の日米首脳会談は、「日米同盟」の強化、日本のTPP(環太平洋連携協定)交渉参加、原発維持、普天間飛行場移設を含む米軍再編計画の推進に合意しました。脱原発の世論を無視し、基地負担軽減を求めるオール沖縄の声をないがしろにして、アメリカの核政策と世界戦略に奉仕しようというのです。
 この会談で、安倍首相は、集団的自衛権の行使が可能となるよう、憲法解釈の変更を検討していることをオバマ大統領に伝えました。「集団的自衛権の行使」とは、「米国の戦争に参加する」ということです。米軍の指揮下で、自衛隊が海外に展開する米軍の軍事作戦にいつでも参加できるようになるからです。集団的自衛権の行使は、交戦権を認めない憲法9条に明白に違反するものです。

◎憲法の基本原則を覆してもよいのでしょうか

 自民党は、昨年4月「日本国憲法改正草案」を発表しました。草案は、
 1.日本国を「天皇を戴く国家」、天皇を「元首」とし、
 2.戦争放棄に代えて「国防軍」の保持と緊急事態の宣言を新設し、
 3.基本的人権を「公益及び公の秩序」によって制限可能なものにするというものです。
 どれも、日本国憲法の基本原則(国民主権・戦争放棄・基本的人権の保障)を根底から覆す規定です。
 当面、安倍首相と自民党は、本格的な改憲の地ならしとして、国会の改憲発議要件を三分の二以上の多数から過半数へ緩和することを検討しています。自らの都合に合わせて改憲のルールをまず変えてしまおうというのです。
 そのうえで、もし自民党の改憲草案の諸条項が通るようなことになれば、言論統制や国家主義に覆われた、あの戦前のような時代に逆戻りしていく可能性すら生まれてくるでしょう。

◎武力より平和力を

 近代日本の植民地支配と戦争の歴史への記憶がうすれていく中で、差別意識に根ざした、近隣アジア諸国への反感や憎しみをあおる排外主義の言動が再び現れるようになってきました。中国や韓国との領土問題を機に、強い行動を期待する危うい発言が飛び交う事態も起こっています。
 しかし、外交問題は、日本国憲法前文の「諸国民の公正と信義に信頼して」という理念を生かした地道な話し合いによるべきであり、とりわけ中国や韓国・朝鮮民主主義人民共和国とは、公正な歴史認識に基づく相互理解によって懸案の解決をはかるべきではないでしょうか。
 戦争放棄をうたう第9条は、「正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求」するとして、武力ではなく平和力が必要なことを指し示しています。

◎私たちの国の憲法を、「戦争する」と書きかえますか

 戦争は、国家意志の発動として、国民の生命を軽視しておこなわれます。あなたの周りにいる若者が、戦争のために生命を奪われる、あるいはまた、他者の生命を奪うよう命じられることが、再び起こってよいものでしょうか。
 戦争を放棄した日本国憲法は、人権の基本に個人の尊重を置き、生命、自由及び幸福追求に対する権利を明記して、平和主義を支えています。こうした基本的人権も平和主義も、ひとたびその一角が失われ否定されてしまってからでは、取り戻そうとしても遅いのです。
 1931年の満州事変から1945年の敗戦にいたる、アジアや太平洋地域での戦争によって、2,000万人以上の生命が失われ、日本だけでも死者は310万人を超えました。そうした惨禍が政府の行為によって再び起こることのないように決意したからこそ、私たちは日本国憲法・平和憲法を支えてきたのではないしょうか。私たちは、いま進められている改憲の動きに、強く強く反対します。

主タイトル

若者が、子どもたちが危ない 武力より平和力、9条の力

掲載日

2013年5月3日(憲法記念日)

掲載紙

朝日新聞全国版朝刊

賛同者数

8,150件(賛同締切日集計、匿名希望を含む)

2012年期(第11回)市民意見広告運動

2012. 05. 03

詳細を表示
 私たち賛同者は次のことを訴えます。

・自民党や国会の憲法審査会がもくろむ憲法改定に反対し、平和的生存権をうたった憲法前文と非武装・不戦の9条を実現する。
・健康で文化的な最低限度の生活を保障した憲法25条を実現する。
・日米安保条約を終了させ、米国・東アジア諸国との新しい安全保障の仕組みをつくる。
・すべての軍事基地を閉鎖・撤去させる。沖縄の辺野古、高江基地新設を許さない。
・自衛隊を段階的に縮小・解体し軍事予算を廃止する。新しく災害救助隊をつくる。
・すべての原発の運転・再稼働を中止し、エネルギー政策を根本的に転換させる。
・福島第一原発事故の原因と責任を明らかにし、被災者への十分な補償を実現する。
・将来の世代にこれ以上核廃棄物の負担を増やさない。
・すべての核兵器の配備・持込み、核施設・技術の輸出に反対する。

 あなたも一緒に意思表示をしてください。

主タイトル

いのち 殺すな 殺されるな

副タイトル

憲法9条・25条を活かそう すべての原発を廃炉にしよう

掲載日

2012年5月3日(憲法記念日)

掲載紙

朝日新聞全国版朝刊、東京新聞朝刊、琉球新報朝刊

賛同者数

5,286件(賛同締切日集計、賛同者氏名掲載なし)

2011年期(第10回)市民意見広告運動

2011. 05. 03

詳細を表示
 東日本大震災の被災地では、人びとが復興のため必死の努力を続けています。これを支援するためには、不要不急の予算を思いきって振り向けることが必要です。その最大のものは、年間4.8兆円にのぼる軍事予算です。

 今回の災害援助で、自衛隊員は、消防庁・自治体職員、ボランティアの人びとと共に大きな役割を果たしました。しかし、自衛隊が持つジェット戦闘機、ミサイル、イージス艦などは、災害援助の役には立ちません。自衛隊が日本に住む人びとを守るために存在するならば、戦争のために使うこれらの高価な武器や艦船の予算は、すべて被災地復興に使うべきではないでしょうか。

 また、いまとりわけ不要で不適切な支出のひとつは、沖縄をはじめ各地にある米軍基地への「思いやり予算」です。被災地では多くの人が家を失い、仕事をなくしているのに、米軍基地の光熱費、ゴルフ場を含む施設費などに毎年1900億円も支払うのは、どう見てもおかしいではありませんか。

◎「抑止力」という神話

 米軍は、51年も前の冷戦時代に改定された日米安保条約に基づいて、日本に軍事基地を置いています。軍備が戦争の「抑止力」になると見なされていた当時から時が経つにつれ、この条約は軍事同盟に変質しました。在日米軍基地は米国が始めた戦争の出撃基地になっただけでなく、その戦争に自衛隊が米軍の手足となって協力する体制になっています。米軍は私たちを守るために日本にいるのではなく、彼らの戦略にとって都合がいいから留まっているのです。「抑止力」というのは虚構に過ぎません。

◎安保ではなく平和友好条約を

 日米安保条約は、日本国憲法の平和主義(戦争放棄・非武装・平和的生存権)をまったく無視して結ばれました。しかし、安保条約の条文によれば、どちらかの政府が1年前に通告すれば終了できます。私たちは、非武装・不戦を定めた憲法9条を実現するため、この安保条約を解消し、新たに両国が対等で真の友好関係を築く日米平和友好条約を締結することを提案します。

◎領土問題は軍拡では解決しません

 北方領土や尖閣諸島、竹島などの問題で、「軍備を強化しなければ相手になめられる」というのは、弱肉強食の帝国主義時代の考え方です。領土問題は、そこを生活圏とする住民の意向を尊重した粘り強い話し合いと妥協によって解決すべきです。領土問題を口実に軍備を拡張しても、私たちの暮らしが苦しくなるだけで、何も得ることはありません。

◎誰もが安心して暮らせる憲法25条の実現を

 今回の災害だけでなく、私たちの暮らしは不安でいっぱいです。とくに高齢者、失業者、非正規労働者など社会的弱者には、医療や福祉のセーフティ・ネットが届いていません。自殺する人が毎年3万人を超え、若者の就職口はますますせばまっています。私たちは、健康で文化的な最低限の生活を保障した憲法25条の実現を目指し、公正で公平な福祉政策の充実を求めます。

◎原発のない暮らしに切り替えよう

 「安全でクリーンな原発」という神話は崩れました。私たちは、政府がすべての原発を直ちに停止し、エネルギー政策を根本から見直すことを求めます。同時に私たち自身も、原発に頼らない暮らし方を追求しなければなりません。「どうせ何を言っても変らない」と思ったら、本当に何も変りません。自然災害は避けられませんが、原発事故や戦争は人災です。私たち個々の市民が声をあげることによって、くいとめることも、変えて行くこともできるのです。声をあげましょう。

●意見広告について各紙への要望(注記:朝日新聞のみに掲載)

 集会やデモなどに参加できなくても、政治的主張を表現したい人びとが多くいる現在、こうした市民運動による意見広告は重要な表現手段となっています。しかし、掲載料金を考えると、市民運動が簡単に使える手段ではありません。私たちは、市民運動の意見広告には、企業広告とは別の、特別な料金体系が適用されるべきだと考えます。広告内容への規制も問題です。最近、この掲載紙ではないある新聞社が、とある市民団体の意見広告の内容が事実であるにもかかわらず、一般商業紙に報道されなかったという理由で一部削除を要求した例がありました。市民の意見広告は、なるべく制約のないものであるべきです。

●東日本大震災・福島原発事故の被災地の皆様へ(注記:河北新報・福島民報のみに掲載)

 3月11日に発生した東日本大震災で被災された皆様に心からのお見舞いを申し上げるとともに、亡くなられた方々のご冥福をお祈り致します。また、福島第1原発の大事故によって避難を余儀なくされた方々、放射能汚染による被害を受けている農業・漁業に携わる方々には、1日も早く被害の補償と生活の安定がはかられるよう、私たちも一緒に政府に対して要求して行きたいと思います。
 市民意見広告運動と市民の意見30の会・東京の事務局は、基金・繰越金から、東日本大震災の被災者支援のため「国境なき医師団東京」に200万円を寄付いたしました。

主タイトル

9条・25条実現 ミサイルより復興支援を

副タイトル

殺すな

掲載日

2011年5月3日(憲法記念日)

掲載紙

朝日新聞全国版朝刊、河北新報朝刊、福島民報朝刊

賛同者数

7,276件(賛同締切日集計、匿名希望を含む)

2010年期(第9回)市民意見広告運動

2010. 05. 03

詳細を表示
◎基地移設ではなく、閉鎖を

 住宅密集地の真ん中にある世界一危険な普天間基地は、移設先を探すのではなく、ただちに閉鎖することを要求します。
 これまでの政府案は、いずれも「基地はいらない」という沖縄県民の願いを踏みにじるものです。基地機能の一部が移設されたとしても、基地そのものがなくなる方向に進まない限り、問題は解決しません。
 政府は、沖縄県民をはじめとする私たちの総意を代表して、アメリカに対し全ての米軍基地の縮小・撤去を要求する交渉をすべきです。

◎軍事同盟をやめ、平和友好条約を

 今年は日米安保条約改定から50年になります。日米安保条約は、憲法前文に謳われている平和的生存権も、9条の戦争放棄もまったく無視して結ばれた軍事同盟条約です。ベトナム戦争やイラク戦争の例でわかるように、この安保条約のために、米軍は日本の基地から世界のどの地域にも出動でき、その結果日本は好むと好まざるとに関わらず、アメリカの戦争に加担しているのが現実です。
 私たちは、日米同盟を「深化」させようとする政策に反対します。核の傘にたよって、沖縄に犠牲を強いる日米軍事同盟をやめて、平和友好条約を結びましょう。日本を、誰もが安心して暮らせる平和な社会に近づけるために、声をあげましょう。

◎明日への希望が持てる社会に

 長い間、貧困・格差を放置してきた自公政権は崩壊したものの、政権交代した今も、私たちの暮らしは不安です。医療や福祉の現場も崩壊し、追いつめられて自殺を選ぶ人々は毎年3万人を超え、完全失業率も依然として4.9%の高水準のままです。若者の就職内定率も低く、正社員も非正規労働者も使い捨てられて、明日への希望が持てません。
 私たちは、人々のいのちと暮らしを守る憲法25条を実現するために、軍事予算を削減し、大企業優遇をやめて、福祉政策を充実させることを求めます。

◎国民投票法施行・9条改憲にNO!

 今年5月18日、国民投票法が施行されます。憲法96条の規定により、国会議員の3分の2以上が賛成すれば、改憲を発議して、有権者に問うことができるのです。
 総務省は投票年齢を「20歳以上」と規定するなど、国民投票法施行に必要な政令の準備を始めました。
 私たちは、自公政権が問題点の多いまま強引に成立させた国民投票法の施行に反対です。非武装・不戦の憲法9条を変えることに反対です。
 政府に9条の実現を強く要求するとともに、次の選挙では改憲反対のために私たちの1票を使いましょう!

主タイトル

基地はいらない 核の傘もいらない 人間らしく生きたい

副タイトル

9条・25条実現

掲載日

2010年5月3日(憲法記念日)

掲載紙

西日本新聞朝刊、読売新聞全国版朝刊

賛同者数

8,201件(賛同締切日集計、匿名希望を含む)

2009年期(第8回)市民意見広告運動

2009. 05. 03

詳細を表示
◎おびやかされる日々の暮らし

 商店街はシャッターを下ろし、農林漁業は後継者もなく、ふるさとの山河は荒れ始めています。若者は授業料が払えず高校・大学を中退し、卒業できても就職の内定を取り消され、働く者も「派遣切り」「リストラ」によって機械の部品のように切り捨てられています。医療や福祉の現場も崩壊寸前で、私たちは「健康で文化的な最低限度の生活」の権利を保障されていません。

◎ふくらむ軍事費と戦争国家への道

 私たちの税金は米軍再編計画のグアム移転費用28億ドル(2800億円)や、防衛省年間予算4兆8千億円に当てられています。憲法9条があるにもかかわらず、ソマリア沖に武装した海上自衛艦が出動し、それを踏み台にして「海外派兵恒久法」が制定されようとしています。沖縄、岩国などの米軍基地もなくなるどころか、辺野古の海兵隊新基地建設のように強化されて、日米の軍事的一体化は進む一方です。
 先月、政府は発射予告されていた北朝鮮の「人工衛星」に対して「破壊措置命令」を出し、迎撃ミサイルを動員しましたが、これも、日米軍事態勢をさらに拡充し、あわせて国内の失政から私たちの目をそらさせようとしている意図が明らかです。
 マスメディアも過熱報道を繰り返し、危機感をあおりたてました。官民一体の過剰反応は、近隣の軍備増強をうながし互いの軍拡のエスカレートにつながるだけで、アジアの緊張を高める結果しか生み出しません。

◎武力で平和はつくれません

 私たちは、国内外の貧困に目をつぶり、日本をアメリカと一緒に戦争する国にしようとする政府のやりかたに反対します。侵略の脅威を未然に防ぐためには、市民・NGOのネットワークで、近隣の国の人々と連帯し、平和を創り出す不断の努力を続けるしかありません。
 私たち一人ひとりの力は小さくても、手をつなげば大きなうねりになります。芽吹きの緑が大地をおおうように、大きなうねりによって日本を平和で、誰もが安心して暮らせる、格差のない社会に近づけましょう。

◎9条改憲に反対です

 来年(2010年)5月、改憲手続き法である国民投票法が施行されます。そうなると憲法96条の規定により、国会議員の3分の2以上が賛成すれば、国会は改憲を発議できるようになります。
 私たちは、非武装・不戦の憲法9条を変えることに反対です。
 政府に9条の実現を強く要求するとともに、来るべき総選挙では改憲反対のために私たちの1票を使いましょう!

●日本国憲法

 第9条[戦争の放棄、軍備及び交戦権の否定]
 1.日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
 2.前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

 第25条[生存権]
 1.すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
 2.国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会福祉及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

主タイトル

戦争をとめよう! 人間らしくいきたい

副タイトル

9条・25条の実現を

掲載日

2009年5月3日(憲法記念日)

掲載紙

朝日新聞全国版朝刊、北海道新聞朝刊

賛同者数

8,395件(賛同締切日集計、匿名希望を含む)

2008年期(第7回)市民意見広告運動

2008. 05. 03

詳細を表示
 日本はギョーザ(食糧)からガソリン(エネルギー)まで輸入に頼っている国です。足りなくなったら戦争で奪ってきますか? そのためにあなたは戦争に行きますか?

◎日本は戦争をしないと決めた国です

 日本国憲法の前文と第9条は、日本の侵略戦争と植民地支配がもたらした甚大な加害への反省と、人々の悲惨な経験から生まれた「武器をとって戦争をしない」という誓いです。しかし自民党の新憲法草案や民主党の憲法提言の描く日本は、「軍隊を持ち戦争のできる国」です。また大企業の経営者などでつくる経済三団体は、海外での日本企業の活動や権益を軍事力で防衛することを求めています。

◎イラク・インド洋での戦争加担は9条違反です

 イラクやアフガニスタンの人びとの悲惨な現状は、アメリカ軍などの侵略と占領、それを支援する日本の自衛隊がもたらしたものです。軍事介入を続ける世界最大の軍事大国アメリカの社会では、格差が拡大し、貧しい人びとはいよいよ貧困にあえいでいます。軍隊は他国の脅威となって戦争の原因となるばかりか、自国の経済を圧迫し市民の暮らしを破壊します。武力で平和はつくれません。自衛隊は今でもイラク・インド洋でアメリカ軍支援を続けています。名古屋高裁は4月17日、イラクでの航空自衛隊の活動は憲法9条1項に違反するという明確な判断を下しました。自衛隊はイラクとインド洋から即時撤退するべきです。

◎自衛隊を海外に派遣する「恒久法」に反対します

 自衛隊をいつでも迅速に海外に派遣できる法律(いわゆる海外派兵恒久法)が制定されようとしています。何か起きるたびに自衛隊を海外に出す法律を作る手続きを省いて、ただちに海外派兵をしようとしているのです。憲法を無視したこのような法律の制定は、国の基盤を揺るがします。

◎貧困社会と戦争国家は表裏一体です

 政府が憲法をないがしろにしているために、私たちの生活はどんどん苦しくなっています。福祉予算が削られ、最低限度の生活を保障する憲法第25条は実現されていません。社会的弱者や高齢者をいためつける政治がまかり通り、貧困という言葉が日常的になっています。このうえ9条を変えて自衛軍をつくり軍事予算をふやすことなど、とうてい認めることはできません。

◎「平和を愛する諸国民」は戦争を望みません

 「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」(日本国憲法前文より)
 どこの国でも一人一人の市民は、殺し殺されることを望んでおらず、自由に平和に仲良く暮らしたいと願っています。戦争や武力による威嚇では平和はつくれません。積極的な平和外交によってこそ私たちの安全は保障されるのです。

◎あなたの平和への意思が問われます

 憲法を変えるための「国民投票法」が再来年2010年5月に施行されます。衆参各院で国会議員の3分の2の賛成により憲法改正の発議がされれば、国民の意思が問われることになります。平和憲法を変えさせない力は私たちにあります。一人ひとりがあらゆる機会を活かし、主権者として9条改憲反対の意思を示しましょう。

●日本国憲法第9条[戦争の放棄、軍備及び交戦権の否認]

 1.日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
 2.前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

主タイトル

武力で平和はつくれない

副タイトル

9条の実現こそ平和への道です

掲載日

2008年5月3日(憲法記念日)

掲載紙

東京新聞朝刊、西日本新聞朝刊、読売新聞全国版朝刊

賛同者数

8,535件(賛同締切日集計、匿名希望を含む)

2007年期(第6回)市民意見広告運動

2007. 05. 03

詳細を表示
◎武力で平和はつくれない

 米軍のイラク占領から四年。
 イラク人の死者六五万人。
 米軍の死者三、二〇〇人以上。
 死者が絶えないイラクの現状は『武力によって平和はつくれない』ことをだれの目にも明らかにしています。私たちは、どの国の戦争・軍事演習・核実験にも反対します。
 非武装・不戦をうたった憲法9条の実現こそ、日本が世界に貢献する道です。

◎米軍支援に税金を使うな

 安倍政権は日米同盟をすべての外交政策に優先し、米軍再編のために巨額の税金を投入しようとしています。自衛隊は海外派兵を本来任務にし、世界のどこでも米軍とともに戦争ができる体制を整えつつあります。私たちは、自衛隊が軍隊になっていくことを深く憂慮します。愛知県の小牧基地から派遣されている航空自衛隊員約200名とC130輸送機3機が、クウェートを拠点に、イラクの首都バグダッドや北部のアルビルなどへ米軍の兵員・物資輸送の任務にあたっています。私たちは、航空自衛隊をイラクから、在アフガン米軍支援の海上自衛隊をインド洋から撤退させることを求めます。

◎民意を反映しない改憲手続き法案《国民投票法案》を廃案に

 安倍政権が今国会で成立させようとしている国民投票法案は、最低投票率を設けておらず、有効投票数の過半数で承認されます。投票率が四〇パーセントだったら有権者の二割の賛成で憲法が変えられてしまいます。また、条文を論議する期間が短く、憲法を守ろうとする公務員・教員の運動を厳しく規制するものです。金のある政党がマスコミに多くの宣伝を流せることなど、どれをとっても公正なルールとはいえず、民意を反映させるものではありません。

◎改憲をねらう安倍政権にノーの意思表示を

 安倍首相は今国会中に国民投票法を成立させ、七月参院選挙では改憲を争点にすると明言しました。健康で文化的な生活を保障する憲法25条を無視して格差を拡大し、改憲を公言する安倍自民党政権にノーの意思を示しましょう。私たちは、参院選挙では憲法を守り9条を活かす人に投票することを呼びかけます。

 私たちは改憲に反対する多くの人々・グループと力を合わせ、それぞれの立場を尊重しつつ大きな反戦の勢力を形づくる努力を続けていきます。

●日本国憲法第9条[戦争の放棄、軍備及び交戦権の否認]

 1.日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
 2.前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

主タイトル

非武装・不戦の憲法を変えさせない 自衛隊はイラクとインド洋からすぐ撤退を

副タイトル

9条実現

掲載日

2007年5月3日(憲法記念日)

掲載紙

朝日新聞全国版朝刊、中日新聞朝刊、東京新聞朝刊

賛同者数

8,978件(賛同締切日集計、匿名希望を含む)

2006年期(第5回)市民意見広告運動

2006. 05. 03

詳細を表示
◎自民党の「新憲法草案」は日本を「戦争をする国」にします

 昨年十一月二十二日、自民党が「新憲法草案」を正式に発表しました。この草案は憲法9条を変えて「自衛隊の保持」を明記し、海外での武力行使に道を開きます。私たちは日本を「戦争をする国」に変える自民党の草案に反対です。

◎9条は『非武装・不戦』の国際公約です

 日本国憲法は政府をしばる最高法規です。現憲法の前文と9条は、日本による過去の侵略戦争と植民地支配を深く反省して生まれました。それは、甚大な被害を与えたアジア・太平洋諸国、そして全世界に向けて発した『非武装・非戦』の国際公約です。9条のとりわけ画期的な意義は、第2項の『戦力不保持』と『交戦権の否認』にあります。9条は日本政府に『非武装・不戦』を命じており、政府はそれを実行する義務を負っています。

◎イラクから即時撤退を

 しかし現状はどうでしょう。小泉政権は、9条を踏みにじってインド洋・アラビア海に海上自衛隊の艦隊を派遣し、イラク-クウェートに陸上自衛隊や航空自衛隊を送り込んでいます。私たちは、小泉首相がイラク-クウェートとインド洋・アラビア海から自衛隊の全部隊をただちに撤退させることを強く要求します。

◎武力で平和はつくれません

 私たちは、憲法9条を変えることに大反対です。与党は民主党とともに改憲のための国民投票法案を成立させる動きを加速していますが、これは断じて許されることではありません。アジアと世界に揺らぐことのない平和を確立するためになすべきは、『非武装・不戦の9条実現』です。私たちは、「九条の会」のアピールを支持し、日本政府に9条の実現を求め、この国を平和の道に向け直す努力を続けていきます。

●日本国憲法第9条[戦争の放棄、軍備及び交戦権の否認]

 1.日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
 2.前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

主タイトル

私たちは、非武装・不戦の憲法9条を変えることに反対です 改憲のための国民投票法案に反対します

副タイトル

九条実現

掲載日

2006年5月3日(憲法記念日)

掲載紙

沖縄タイムス朝刊、琉球新報朝刊、読売新聞全国版朝刊

賛同者数

9,672件(賛同締切日集計、匿名希望を含む)

2004年期後半(第3回)市民意見広告運動

2004. 08. 06

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 五十九年前の今日、八月六日、広島に原子爆弾が投下されました。あの惨禍を含む過酷な戦争体験を踏まえ、過去の侵略戦争と植民地支配を深く反省して、日本国憲法は生まれました。しかし今、この国は戦争に大きくのめり込みつつあります。私たちは事態を深く憂慮し訴えます。

◎小泉首相は自衛隊の多国籍軍参加を撤回し、派兵計画を中止して、自衛隊のすべての部隊をイラクから撤退させるべきです

 昨年三月二十日に開始された米英軍によるイラク攻撃は、イラクのフセイン政権(当時)が大量破壊兵器を保有していることや「アルカイダとの協力関係」を口実にしていました。しかし今や、世界の誰もがそれらの口実がねつ造されたことを知っています。
 それにもかかわらず小泉首相は、米英の開戦を無条件に支持したばかりか、自衛隊をイラクに送り込み、そのうえ本年六月末の「主権委譲」に伴い発足した多国籍軍に自衛隊を参加させました。日本の二人の外交官と二人のジャーナリストが死んだ責任は、対米追従を続ける小泉首相と日本政府にあります。私たちは派遣自衛官のみなさんが、殺したり殺されたりすることを望みません。
 イラクへの派兵は続いています。まもなく陸上自衛隊東北方面隊第九師団主力の部隊が、第三次隊としてイラクに向かい、十一月には同第六師団主力の部隊が派遣されるといわれています。私たちは東北からの派兵計画の中止を求めます。小泉首相はイラクから自衛隊を即時撤退させるべきです。

◎憲法九条の改悪に断固反対します

 小泉首相は先の参議院選挙の直前に、日本の領土・領空・領海外でも米軍との共同作戦を可能にするため、集団的自衛権の行使を合憲とする改憲をめざすことを明言しました。そして参院選ではこれへの批判票は少なくはなかったのですが、残念なことに護憲派の議席は激減しました。さらにアーミテージ米国務副長官は最近、「憲法九条は日米同盟の妨げ」と発言し、九条の変更を要求しました。私たちは強い危機感をもって、憲法第九条の改悪に反対し、戦争に反対するすべての人々が、ともに立ち上がり、力を合わせることを訴えます。全国でのさまざまな反改憲の活動に加え、最近、九人の著名な人びとが「九条の会」を発足させ、共感の渦を巻き起こしました。私たちは同会を支持し、それぞれがもてる力を振り絞って憲法の改悪を阻止します。
 日本国憲法の前文と第九条は、第二次世界大戦まで続いた戦争の惨禍を見つめて産みだされた叡智の結晶です。前文と九条は、世界に向かって、日本が武装せず、決して武力を行使しないことを宣言しています。それを破壊することは断じて許されません。

主タイトル

自衛隊はイラクから今すぐ撤退を 憲法九条の改悪を許しません

副タイトル

陸上自衛隊東北方面隊の隊員とその家族の皆さん、イラク派遣に反対しましょう 殺すな

掲載日

2004年8月6日(広島原爆惨禍の日)

掲載紙

河北新報朝刊、東奥日報朝刊、毎日新聞全国版朝刊

賛同者数

3,602件(賛同締切日集計、匿名希望を含む)

2004年期前半(第2回)市民意見広告運動

2004. 01. 15

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◎私たちは、自衛隊のイラク派遣に反対します

 私たちは、イラク派兵に反対です。
 日本人外交官二人の死については、何よりも、日本政府の対米追従政策に責任があります。派兵は、さらに、多くの自衛官の死をまねくとともに、自衛隊がイラクの人びとを殺戮することさえ予想させます。日本が直接攻撃されることもないとはいえません。
 小泉首相は、イラクへの派兵計画を即刻撤回すべきです。すでに自衛隊の一部が先遣隊として派遣されていますが、今なら、引き返すことができます。
 また私たちは、米英両国政府とその同盟国に対し、イラクからの全面的即時撤兵を要求します。イラクはイラクの人びとの手に委ねられるべきです。イラク復興への国際協力は、イラクの人びとの支持を得て、石油利権とまったく無関係になされなければなりません。その方法は、派兵ではなく、実に多様にあります。

◎私たちは、憲法改悪に反対します

 小泉首相は、自衛隊国軍化のために憲法第九条の改悪を急いでいます。それは「集団的自衛権の行使」を可能にするためでもあります。改憲は、先制攻撃を辞さず、世界のどこにでも戦争を広げる戦略を振りかざす米国政府とともに、〈憲法に基づいて戦争をする〉ためであり、日本を果てしない戦争への道に引きずりこむものです。
 小泉首相は二〇〇五年十一月までに改憲案を作り、次期通常国会に改憲のための「国民投票法案」を提出するよう、自民党に指示しました。
 私たちは、憲法の改悪に反対です。日本国憲法の前文と第九条は、戦争のない未来を世界にもたらす道しるべであり、絶対に変えるべきではありません。

◎私たちは、戦争の協力しません

 私たちは、戦争に一切協力しません。アジア諸国に対する侵略戦争と植民地支配への反省に立って、日本に〈良心的戦争拒否〉を義務づけた現憲法の前文と第九条に反する政府の政策には、〈市民的不服従〉を貫くことを宣言します。
 小泉首相の靖国神社参拝は、朝鮮半島、中国などのアジアの人びとと私たちの平和への願いを踏みにじる暴挙といわざるをえません。
 私たちは、「朝鮮民主主義人民共和国の脅威」を口実に、対米追従を正当化する主張に反対し、政府がただちに朝鮮民主主義人民共和国と国交を結ぶ努力を開始することを提案します。そうしてこそ、拉致問題などを含む両国間の諸問題を正式の外交ルートにのせ、東アジア全域にゆらぐことのない平和を創造する道が開けるからです。

◎自衛官のみなさんへ

 私たちは、自衛官のみなさんがイラクで戦死することを望みませんし、イラクの人びとを殺すような事態に追いこまれることに反対です。みなさんの家族が、みなさんの死を悲しむような光景に触れたいと思いません。
 小泉首相は、日本国憲法の前文の一部をイラク派兵を正当化する根拠にしました。それは憲法を恣意的かつ強引に曲げて解釈し、私たちにひたすら戦争の覚悟を強いるものでした。「自衛隊派遣には、多くの国民から反対や憲法違反との意見があるのは承知している」とのべならが、政策を変えようとしない小泉首相は、今や急速に支持を失いつつあります。同時に、派遣される自衛官やその家族の不安への共感は、自衛隊の存在が合憲か、違憲かという意見の違いを超えて、広がっています。
 私たちは、みなさんと思いをともにしながら、これからもイラク派兵に反対し続けます。

主タイトル

私たちは戦争に協力しません イラク派兵と憲法改悪に反対する市民の宣言

副タイトル

殺すな

掲載日

2004年1月15、16日

掲載紙

朝日新聞全国版朝刊(15日:関東以北、16日:中部以西)、北海道新聞朝刊(16日)

賛同者数

5,118件(賛同締切日集計、匿名希望を含む)

2003年期(第1回)市民意見広告運動

2003. 05. 04

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◎イラクをイラクの人びとの手に

 米英によるイラク攻撃は、人を殺し、人の身体を傷つけ、心を傷つけ、生活を奪い、環境を破壊しました。イラクが米国を攻撃してもいないのに、アメリカはイラクに先制攻撃をしかけ、莫大な大量破壊兵器を使用して数千の民間人を殺し、イラクを占領しました。他国の政府が気に入らないからといって、それを武力で転覆させるようなことを、世界で通用させてはなりません。全世界をおおった数十万、数百万の反戦の声こそ、今後の世界を律するべきものなのです。アメリカが、わがもの顔で占領統治を始めようとする、あまつさえ、イラク占領・支配を第一段階として、中東全域を米国の勢力圏にすることを企む……そんなことは、いかなる大義の名においても許されません。米英は侵略を止め、ただちに撤兵すべきです。

◎日本の戦争協力を糾弾する

 日本は、このようなイラク侵略戦争を、支援し、支持し、加害者に並びました。日本政府は昨年十二月にイージス艦を派遣し、イラク攻撃を支援しました。国連では、米国を支援する発言をし、経済援助をちらつかせて非常任理事国を説得しました。ブッシュの開戦四十八時間前の「最後通告」直後に、国会で十分な政策説明もしないままに、小泉首相は米国を支持しました。憲法第九条の「…国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」を小泉首相は無視しました。私たちは、日本の戦争協力を糾弾し、直ちに自衛隊を日本に戻すことを要求します。

◎有事法制を廃案に

 小泉政権は、イラク攻撃のほとぼりがさめぬうちに、マスメディアを動員し、拉致問題や核開発問題を利用して朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)への恐怖感を煽りながら、本格的な「戦争ができる国」作りを急ぎ、今国会で有事法制を成立させようとしています。この動きは、日本国憲法の前文と第九条に完全に違反し、アメリカの戦争に日本を荷担させ、市民を戦争にまき込み、市民の人権を大きく踏みにじるものです。私たちは、有事法制関連三法案の廃案を求めます。私たちは、非軍事国家日本の実現を求めます。これこそ、日本が世界の平和のために国際貢献する方法であり、人の命を守る一番の方法なのです。

副タイトル

殺すな

掲載日

2003年5月4、5日(5月3日憲法記念日に掲載予定だったが、新聞社側の事由で期日変更)

掲載紙

毎日新聞全国版(5月4日:北海道支社版・東京本社版・大阪本社版・西部本社版、5月5日:中部本社版)

賛同者数

2,095件(賛同締切日集計、匿名希望を含む)

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